現代人に多い巻き肩の改善!ストレッチを解剖学的に解説!

こんにちは!
REVIVEトレーナーのたけるです!
今回は、姿勢の悩みの中でも特に多い「巻き肩」について、解剖学的な視点から原因を整理し、その上で効果的なストレッチやエクササイズを紹介していきます。
デスクワークやスマホ操作が当たり前となった現代では、肩が前に丸まり胸が閉じたような姿勢になっている方が非常に多く見られます。巻き肩は見た目の印象に影響するだけでなく、肩こりや首こり、呼吸の浅さ、さらには自律神経の乱れにまでつながる可能性があるため、決して軽視できません。
では一体、巻き肩はなぜ起こるのか?どの筋肉が関わっているのか?ここを理解しておくと、ただ「ストレッチをする」だけでなく、「どこを伸ばし、どこを鍛えるのか」を明確にできます。
巻き肩とは?特徴とチェック方法
まずは「巻き肩」の定義から確認しましょう。
巻き肩とは
肩甲骨が外側に広がり、上腕骨や鎖骨が前方に偏位した状態。見た目としては、肩先が体の前に入り込んでいるように見え、胸が閉じている印象になります。
セルフチェック方法
・壁に背をつけて自然に立つ
・後頭部・肩甲骨・お尻・かかとを壁に当てる
このとき肩の前面が壁につかない/無理に張らないと壁に当たらない
→ この場合、巻き肩の可能性が高いです。
解剖学的に見る「巻き肩の原因」
巻き肩の背景には、筋肉のアンバランスがあります。
大きく分けると「硬く縮んでいる筋肉」と「弱くなっている筋肉」に分けられます。
〇硬く短縮している筋肉(肩を前に引っ張る側)
・大胸筋(胸の前に広がる筋肉)
→ 腕を前に出す作用があり、縮むと肩が内側に入る。
・小胸筋(肋骨から肩甲骨前面に付着)
→ 肩甲骨を前方かつ下方に傾け、巻き肩を助長する。
・広背筋(の一部)
→ 背中の大きな筋肉だが、腕を内側に引き込む作用があるため過緊張すると肩を前に丸めやすい。
〇弱化している筋肉(肩を後ろに戻す側)
・僧帽筋下部線維
肩甲骨を下方・内側に引き寄せる働き。弱いと肩甲骨が外に広がったままになる。
・菱形筋
肩甲骨を背骨側に寄せる筋肉。デスクワークで長時間伸ばされ続け、機能不全を起こしやすい。
・前鋸筋
肩甲骨を胸郭に安定させる重要な筋肉。弱いと肩甲骨が外に広がって不安定になる。
・肩関節外旋筋群(棘下筋・小円筋など)
上腕骨を外旋させる筋肉。弱化すると腕が内旋方向(内巻き)に偏りやすくなる。
👉 このように、巻き肩は単なる「姿勢のクセ」ではなく、筋肉のバランスの崩れによって引き起こされるのです。
巻き肩が及ぼす影響
「肩がちょっと丸いだけ」と侮ることなかれ。巻き肩は全身にさまざまな悪影響を及ぼします。
・肩こり・首こり
前方に突き出した肩を支えるために、僧帽筋上部や肩周囲の筋肉が常に緊張状態に。
・頭痛や自律神経の乱れ
首肩周りの緊張は血流を悪化させ、頭痛や自律神経の不調につながることも。
呼吸が浅くなる
胸郭が閉じるため横隔膜の動きが制限され、呼吸が浅くなり疲労感や集中力低下を招く。
・猫背・姿勢悪化
背中全体が丸まりやすくなり、骨盤の前傾・後傾にも悪影響を与える。
・見た目の印象
胸が閉じて背中が丸まることで、自信がなさそうに見えたり、老けた印象を与える。

巻き肩改善ストレッチ【解剖学的アプローチ】
ここからは、硬くなりがちな筋肉をターゲットにしたストレッチを紹介します。
① 大胸筋ストレッチ
方法:壁やドア枠に肘を90°に曲げた状態で腕を当て、体を反対方向にひねる。
伸ばされる筋肉:大胸筋
ポイント:肘の角度を変えることで、大胸筋上部・下部をバランスよく伸ばせる。
② 小胸筋ストレッチ
方法:フォームローラーや丸めたタオルを背中に置いて仰向けになり、両腕を大きく広げる。
伸ばされる筋肉:小胸筋
ポイント:肩の付け根が床に落ちる感覚を意識。呼吸を深く行うと効果大。
③ 広背筋ストレッチ
方法:四つ這いから両手を前方に伸ばし、お尻をかかとに引き寄せる(チャイルドポーズ)。
伸ばされる筋肉:広背筋
ポイント:片手を斜め前に出すと体側も伸ばせる。
👉 これらのストレッチを行うことで、前に引っ張られていた肩が徐々に解放されます。
弱化した筋肉を鍛えるエクササイズ
ストレッチだけでは根本改善には不十分です。弱っている背中の筋肉を目覚めさせましょう。
① バンドプルアパート
方法:ゴムバンドを両手で持ち、胸の高さで外に引き広げる。
鍛えられる筋肉:僧帽筋中部・菱形筋
② Y字リフト(Yレイズ)
方法:うつ伏せで両手をY字に上げる。軽いダンベルや自重でOK。
鍛えられる筋肉:僧帽筋下部
③ 壁プッシュセラタス
方法:壁に手をつき、肩甲骨を前に押し出すように動かす。
鍛えられる筋肉:前鋸筋
巻き肩改善のポイントと習慣化のコツ
・ストレッチ → 筋トレの順番で行う
先に胸側の筋肉をゆるめ、その後に背中を鍛えると効果が出やすい。
・呼吸を意識
胸を開くストレッチの際は、深い呼吸を意識することで胸郭の柔軟性も改善。
・日常姿勢を整える
デスクワーク中は「骨盤を立て、耳・肩・腰が一直線」を意識。
・短時間でも継続
1日3分でも毎日続ける方が効果的。習慣化が最大のポイント。
まとめ
巻き肩は、胸の筋肉が硬くなり、背中の筋肉が弱っていることで起こる姿勢不良です。
✅ 大胸筋・小胸筋・広背筋をストレッチで解放
✅ 僧帽筋下部・菱形筋・前鋸筋を筋トレで強化
✅ 姿勢や呼吸も合わせて改善
この3ステップを取り入れることで、巻き肩は少しずつ解消されていきます。
姿勢が変わると、呼吸が深くなり、体調や気分、そして見た目の印象まで大きく変化します。ぜひ今日から実践してみてください!