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2025.10.22

正しいベンチプレスで理想の身体をつくる!科学的トレーニングで効果と安全性を両立

こんにちは!!トレーナーのYUKIです。
本日は、皆さんが必ず聞いたことがある「ベンチプレス」のやり方についてお話ししていこうと思います!!

はじめに:ベンチプレスの意義と注意点

ベンチプレスは、大胸筋(胸部)、上腕三頭筋、前部三角筋(肩前部)などを同時に使う複合種目であり、筋力トレーニング(レジスタンストレーニング)の中核種目の一つです。多関節動作であることから、筋力・筋量の向上効率が高く、筋肥大・パフォーマンス向上やスポーツ種目の補助種目としても広く用いられます。
ただし、肩関節・肘関節へのストレス、フォーム崩れやケガリスクもあるため、動作設計とプログラム設計を科学的根拠に基づいて行うことが重要です。

正しいベンチプレス技術・動作(フォーム・バイオメカニクス)

以下では、力学的・筋電図的な観点を意識した正しい技術構造を示します。
ボディポジション(全体構造)

• 肩甲骨の引き寄せ(スキャプラ安定)

ベンチに仰向けになる時には、肩甲骨を軽く引き寄せ、ベンチに「寄せる」ようにして下方回旋・内転方向の安定ポジションを作ります。これにより、胸郭の安定性が向上し、肩関節過伸展や不安定性リスクを低減できます。

• アーチ(腰部の反り)

競技志向(パワーリフティング)では、背中をやや反らせてアーチを作る手法が用いられますが、極端なアーチが許可されないルールもあります。アーチを用いると可動域を抑えつつ強度を稼ぐことができますが、一般トレーニーでは過度に反らせないほうが安全性は高いです。平背 vs アーチ型での違いを比較した研究もあります。

• 足の設置と脚ドライブ

足はしっかり床につけ、脚を張ること(脚ドライブ)で体幹とベンチの間を押し込み、上肢の力発揮を助けることができます。

グリップ幅・肘角度

• グリップ幅の選択

グリップ幅(肩幅比など)は、関節トルク(関節にかかる力モーメント)や筋活動の違いを生じさせます。狭めグリップでは上腕三頭筋負荷が高まり、広めグリップでは肩関節トルクが増し、大胸筋や肩に対する負荷も変動します。
たとえば、ある研究は、狭グリップでは肘の関節モーメントおよび三頭筋・前部三角筋・胸筋前部の筋活動が高まる傾向があると報告しています。

• 肘角度:肘の位置・方向

下ろすときの肘の開き具合(体幹からの角度)は重要で、完全に横に広げる(90°近く)は肩への負荷が高まるため、安全性や力発揮の観点から、通常は体幹面から45°~75°程度の角度とするのが推奨されます。

• バーベルパス(バー軌道)

バーベルは単純に上下線を描くわけではなく、やや弧を描く軌道が理想とされます。ラック位置からバーを抜くときに軽く後方(胸方向寄り)へ引いて下ろし、押し上げ段階では少し前方へ押すような軌道をとるのが一般的です。

可動域(ROM:Range of Motion)

• フル可動域 vs 部分的可動域

トレーニングを通じての適応(神経・筋の発達)という点では、フル可動域(バーを胸につけ、腕を伸ばしきる)で行う方が、部分可動域よりも優れた神経筋適応を生むことが報告されています。たとえば、Martínez‐Cavaらの研究では、部分可動域で行うのと比べて、フル可動域での長期トレーニングのほうが神経筋適応が大きかったという報告があります。
 ただし、関節可動性や怪我の既往などによりROMを制限する場合には、本人に合った範囲を使う必要があります。

反復速度・テンポ

• 筋肥大を最大化するためには、反復のテンポ(下降速度、停止、上昇速度)を適度にコントロールすることが有効と考えられます。一部のレビューでは、2~8秒程度のテンポを念頭に置くべきと指摘するものもあります。
• ただし、強度(負荷)が高くなるほど、動作速度は速くできなくなるため、負荷とテンポはバランスをもって設計します。
安全確保:補助・ラック操作・バーキャッチ
• ベンチプレスを行う際は、必ず補助者(スポッター)を付けるか、セーフティバー(ラックの安全ストッパー)をしくなど、万一本数が出せないときに備える設備が必要です。
• バーをラックから外す/戻す際には、体幹の安定を保ちつつ、バーをラック軸方向にそっと外し/戻すイメージで動作を行います。

セット構成・プログラム設計:科学的根拠に基づくアプローチ

次に、どのように「回数(レップ数)」「セット数」「強度(負荷%)」「休息時間」「頻度」などを設定するかを、最新の文献に基づいて整理します。

レップ数・強度の選択(レペティション・ロード関係)

「レップ数 × 重量(強度)」の組み合わせは、目標に応じて使い分けるべきという考え方が「レペティション・コンティニューム(繰り返し連続尺度)」という概念で知られています。
・最大筋力(ストレングス)最大挙上重量80–100%で1~5回、高強度重量での刺激に適す
・筋肥大(ハイパートロフィー) 最大挙上重量の60–80%で6~12回、中負荷・中回数の領域で最適化されやすい
・筋持久力 最大挙上重量の60%以下で15回以上、より高回数・低重量での持久的な刺激
ただし、近年の研究では、低負荷(最大挙上重量の60%以下)を「限界まで」行えば、筋肥大効果は中負荷と遜色なくなるという報告もあります。例えば、低負荷群が高負荷群と同等の筋肥大を示したという研究報告もあります。
ただし、低負荷でのトレーニングは疲労・代謝ストレスが大きくなる可能性があり、選択には注意を要します。
強度によって役割が変わるとはいえ、筋肥大を目的とする多くのレジスタンストレーニング指針では、8~12回 × 複数セットの組み合わせが効率的であるとされます。
また、強度が80%以上(高荷重)を使うことで、筋力獲得の効率が高まるというネットワークメタアナリシス報告もあります。

セット数・トレーニングボリューム

筋肥大や筋力向上において、「セット数(回数 × セット)」、すなわちトレーニングボリュームは重要因子の一つです。複数セットは、1セットのみのプログラムより優位性を持つというメタアナリシス報告があります。
ただし、セット数には「過多」になれば過度な疲労やオーバートレーニングリスクもあるので、適切な量が求められます。
• 研究者のレビューでは、6~20回繰り返し範囲内であれば、セット総数(近似失敗まで)という指標がトレーニングボリュームを定量する適切な方法になり得るとしています。
• 一方、別の系統的レビューでは、若年者・トレーニーにおいて、一つの部位あたり週あたり12〜20セット程度が筋肥大の最適範囲として提案されることがあります。
• また、「1日あたり2〜4セット/部位 × 2〜3回/週」相当の頻度・セット数を勧める文献もあります。
したがって、ベンチプレスにおいても、「種目あたり1回のトレーニングで3~5セット」程度を基本とし、週2~3回程度で合計セット数を確保するのが実践的です(後述する頻度設計と併せて)。
負荷漸進(プログレッション)
トレーニングでは、同じ負荷・同じ反復数を繰り返しても適応は頭打ちになります。漸進的過負荷を導入する必要があります。
• ACSMのポジションスタンドでは、現在のセット・反復回数で2回以上余裕が出るようになったら、次回は2〜10%程度負荷を増加させることを推奨しています。
• 研究的にも、長期的には負荷を少しずつ上げていくことが筋力・筋肥大の維持・増加に有効とされます。
• ただし、急激な増加は疲労・怪我リスクを上げるため、小刻みな進捗管理が望ましいです。

休息時間・セット間インターバル

セット間の休息(レストタイム)も重要な変数です。
• 高重量/低反復(筋力重視)の場合は、2~5分程度の休息が許容されることがあります。これにより次セットでの出力を維持しやすくなります。
• 筋肥大重視で中強度〜中回数を扱う場合、1~2分程度(60〜120秒程度)の休息が多く使われます。
• 長時間休息すぎると筋肉の代謝刺激が薄くなる可能性もあるため、目的に応じて調整します。

頻度(1 週間あたりの実施回数)

どれくらいの頻度でベンチプレスを含めた胸トレーニングを行うかも重要です。
• ACSM スタンドでは、初心者は「週2~3回」、中級者で「週3~4回」、上級者で「週4~5回」程度が推奨されます。
• ただし、部位別頻度(筋群あたりのトレーニング回数)を意識し、回復を考慮したスプリットを組むことが肝要です。
• 「2〜3回/週 × 2〜4セット/回」設計が一般的で、これにより週あたりのボリューム(合計セット数)が確保されます。
• ただし、疲労管理・回復能力を重視し、過度の頻度は避けるべきです。

近接失敗(レップ余裕)と疲労管理

• 筋肥大目的では、セットを「完全限界まで行う(ボリショナル・フェイリアル)」ことが効果的との報告もありますが、必ずしも毎セットを限界まで追い込む必要はないという研究もあります。
• ある研究では、筋肥大を目指す場合、**0〜5レップ残余(=あと0〜5回はできたかもしれない余裕)の範囲で行うのがバランスが良いとする意見もあります。
• 強度(最大筋力目的)重視では、あまり追い込みすぎず、3~5レップ程度余裕を残す方が安全性と長期持続性の観点で推奨されることもあります。

実際のベンチプレスセット例と組み方

以下に、「初心者〜中級者レベル」を想定した例を示します。目的(筋肥大・筋力向上など)や個人差に応じて調整してください。
例 1:筋肥大(ハイパートロフィー)重視型
• ウォームアップ:軽重量 × 8~12回 × 1〜2セット
• メインセット:
 ・重さ:65〜80%1RM程度
 ・回数:8〜12レップ程度
 ・セット数:3~5セット
 ・休息:60〜120秒
• 補助セット/ドロップセット(必要に応じて)
• 週頻度(ベンチプレスを含む胸トレ日):週2回(例:月・木)
• 進行法:余裕が出たら次回負荷を2〜5%増加
• 合計ボリューム目安:1種目あたり週6〜10セット程度
このような構成であれば、文献でハイパートロフィーに適するとされる中負荷・中回数の領域をカバーできます。 また、セット数を複数にすることで1セット方式よりも有利という報告も多数あります。
例 2:筋力重視型(ストレングス系)
• ウォームアップ:段階的に重量を上げていく(軽量 → 中重量 → 本番重量)
• メインセット:
 ・重さ:80~90%以上の1RM領域
 ・回数:2〜5レップ
 ・セット数:3~6セット
 ・休息:2〜5分
• 補助種目・変形セット(例:部分可動域、チェーン・バンド併用)
• 週頻度:週2〜3回(胸+上半身プログラムに組み込む)
• 進行法:細かく重量を刻んで加重(2〜10%程度増加)
• 合計ボリューム:週あたり6~12セット程度(高強度ゆえに過度量には注意)
高強度領域を扱うことで、神経系の適応・高出力力発揮を強く促します。研究でも80%1RM使用群が筋力獲得に有利という結果が報じられています。
例 3:混合型/ピリオダイゼーション型
強度・回数を周期的に切り替える手法(ピリオダイゼーション)を用いることも一般的です。例えば、
• 週間 1〜4:筋肥大フェーズ(中負荷・中回数中心)
• 週間 5〜8:筋力フェーズ(高強度・低回数中心)
• 週間 9〜12:回復/調整フェーズ(やや軽め量)
このように切り替えることで、刺激変化・疲労管理のバランスを取りやすくなります。

注意点・限界・個別調整の重要性

• 可動性・柔軟性の制約:胸・肩・肘関節の可動域・柔軟性が制限されていると、正しいフォームを取れないことがあります。適宜ストレッチや可動域改善が必要です。
• 既往の怪我リスク:肩関節や胸郭・肋骨周囲の怪我既往者は、可動域制約や痛みを考慮してフォームを調整するべきです。
• 疲労蓄積・オーバートレーニング:高頻度・高ボリュームすぎると、回復を超える疲労が蓄積して性能低下につながる可能性があります。
• 個体差:筋力・筋肉の発達・回復力などには個人差が強いため、最適な負荷・セット数・頻度は人によって異なります。トレーニング日誌をつけて反応を確認しながら調整するべきです。
• 相互作用(疲労・他部位トレーニング):胸以外の部位や全身トレーニングと干渉しないよう配慮が必要です。

総括:ベンチプレスを効果的に行うためのポイント

・正しいフォーム:肩甲骨の安定、適切な肘角度、可動域、バーベル軌道などを確立すること。
・目的に応じたレップ数・強度の設計:筋肥大重視なら8~12回、中強度、筋力重視なら2~5回、高強度、など。
・複数セット・適切なボリューム:1セットより複数セットが有利。週あたりのセット数(12〜20セットなどを目安とする文献もあり)を意識。
・漸進的負荷増加:負荷を少しずつ上げていくことで適応を継続させる。
・休息・頻度の調整:種目間インターバル、曜日配置、疲労管理を意識する。
・個体差とモニタリング:反応を確認しながらプログラムを微調整する。
ぜひ、こちらを参考にしてベンチプレスの練習を」してみてください!!

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