【筋トレとお酒の関係】飲酒が筋肉に与える影響と上手な付き合い方

こんにちは!トレーナーの瀬ヶ沼です。
トレーニングを頑張っている皆さんの中には、「週末に飲み会がある」「運動後にビールを飲むのが楽しみ!」という方も多いと思います。実際、お酒はストレス発散やコミュニケーションの一環として、生活の中に深く根付いているものですよね。
でもせっかく頑張って筋トレしているのに、お酒のせいで効果が薄れてしまったらもったいないと思いませんか?
今回は、「筋トレとアルコール(お酒)の関係」について、できるだけわかりやすくお伝えします。そして後半では、「お酒も飲みたいけど、筋トレの成果も出したい!」という方に向けて、具体的な工夫やアドバイスを詳しく紹介していきます。
1.お酒は筋肉にどう影響するの?
お酒を飲むと、筋肉が育ちにくくなる場合があります。理由は主に3つです。
(1)筋肉を作る働きが弱まる
筋トレをすると、筋肉の細胞の中で「もっと強くなろう!」と筋肉を作る働きが始まります。でもその時にお酒を飲むと、その働きが弱くなってしまうことがわかっています。
つまり、「筋トレで刺激を与えたのに、筋肉が作られにくくなる」というもったいない状態になってしまうのです。
(2)回復が遅くなる
お酒を飲むと体の回復力が下がります。特に寝ている間に回復が進むはずなのにお酒の影響で睡眠が浅くなったり、途中で何度も目が覚めてしまったりすると疲れが取れづらくなります。
さらにお酒には水分を体の外に出してしまう働き(利尿作用)もあり、体が乾きやすくなります。筋肉の回復には水分がとても大事なので、これも回復を遅らせる原因です。
(3)ホルモンのバランスが乱れる
筋肉を育てるためには、「テストステロン」というホルモンが必要です。ところがお酒をたくさん飲むと、このテストステロンの量が減ってしまうことがあります。
さらに「コルチゾール」というストレスホルモンが増えると、筋肉が壊れやすくなったり、太りやすくなったりする場合も。ホルモンのバランスが崩れると、トレーニングの効果が出にくくなることがあるのです。
2.お酒は全部ダメ?量とタイミングで差が出る!
「じゃあお酒は絶対に飲まない方がいいの?」と思われるかもしれませんが、実はそうとも限りません。
少量であれば、筋トレの効果にそれほど大きな悪影響を与えないという研究結果もあります。
お酒とうまく付き合うためのポイントはこの2つ
・飲む「量」をコントロールすること
→ 目安としては「ビール中瓶1本」または「グラスワイン1〜2杯程度」が、筋トレへの影響を抑えながら楽しめる上限ラインとされています。大量飲酒(泥酔レベル)になると、筋肉への悪影響は一気に高まります。
・飲む「タイミング」を工夫すること
→ トレーニング直後の2〜3時間は、筋肉の修復・成長が活発になる「ゴールデンタイム」。この時間帯は飲酒を避け、なるべく回復が進んでから(最低でも3〜6時間後)飲むのが理想的です。
3.筋トレとお酒、両立するための5つの工夫
ここからは、「筋トレも頑張りたい。でも、お酒も楽しみたい」という方に向けて、実践できる5つの工夫を詳しく紹介します。
①飲むタイミングをずらそう
一番おすすめなのは、筋トレ直後の飲酒を避けること。
筋トレをした直後は、筋肉が「修復&成長モード」になっている大事な時間。最低でもトレーニングから3~6時間は空けてから飲むようにしましょう。
たとえば、
・午前中に筋トレしたなら、夜に飲むのはOK
・夜に筋トレした日には、その日は飲まず、次の日に楽しむのがベター
②トレーニング前後はしっかり栄養補給を
筋肉を作るためには、「材料(たんぱく質)」と「エネルギー源(炭水化物)」が必要です。
トレーニング後は、プロテインや鶏むね肉、卵、魚などのたんぱく質と、おにぎりやバナナ、パスタなどの炭水化物を一緒に摂るようにしましょう。
そしてお酒を飲む前にもしっかり食事をとっておくと体へのダメージも減らせます。空腹で飲むと酔いやすく筋肉へのダメージも大きくなりやすいです。
③水分補給をこまめに!
お酒を飲むと体の水分が奪われやすくなります。アルコールの代謝には水が必要ですので、水分補給はとても大切です。
・飲み会の前後に水をしっかり飲む
・お酒と一緒に「水」を交互に飲む(チェイサー)
これだけでも、回復力や翌日の体調が大きく変わりますよ。
④飲酒とトレーニングのスケジュールを立てよう
「トレーニングした日=飲まない日」と決めるのが理想ですが、現実的にはなかなか難しい方も多いですよね。
おすすめは、週単位で計画を立てること。
たとえば、
・月曜・水曜・金曜はトレーニング
・火曜・土曜は飲んでもOK
・日曜は完全休養
こんなふうに「飲む日」と「鍛える日」をうまく振り分けると、無理なく両立できます。
⑤自分の体と相談しよう
お酒に強い人、弱い人、筋肉のつきやすさなどは個人差があります。
だからこそ、「自分の体がどう反応するか」をよく観察しましょう。
・飲んだ次の日、筋肉痛の治りが遅い?
・飲みすぎた週は体重が増えやすい?
・お酒を減らしたら体調が良くなった?
こういった変化を記録したり、感じたりすることで、自分にとってベストな飲み方が見えてきます。

4.アルコールの悪影響を和らげる栄養素と食材
お酒を飲む機会をゼロにするのは難しくても、「飲むなら少しでも体にやさしく」という意識を持つことは、トレーニング効果を下げないためにもとても大切です。
ここでは、アルコールによるダメージをやわらげ、回復を助ける栄養素と、それを含む身近な食材を紹介します。
・ビタミンB群(特にB1)
役割: アルコールの代謝に使われる/エネルギー産生を助ける
お酒を分解するにはたくさんのビタミンB群が必要になります。特にB1は糖質の代謝に関わるため、不足すると「だるさ」「疲れやすさ」などが出やすくなります。
おすすめ食材:
豚肉(特に赤身やヒレ肉)
納豆・卵
玄米や胚芽米
・ビタミンC
役割: 抗酸化作用/肝臓の働きを助ける/免疫維持
お酒を分解する過程では、体内で「活性酸素」と呼ばれるサビのようなものが発生します。これが細胞を傷つけ、回復を妨げてしまうのです。ビタミンCはこの活性酸素を中和する働きがあり、筋肉や肌の回復にも効果的です。
おすすめ食材:
パプリカ・ブロッコリー
キウイ・いちご・レモン
じゃがいも(加熱しても壊れにくい)
・亜鉛
役割: アルコール分解酵素を助ける/ホルモンバランスの安定
亜鉛は筋肉を育てるために必要なテストステロンの合成にも関係するミネラルです。また、アルコール分解に関わる酵素の働きを助けるため、お酒を飲む方には特に重要です。
おすすめ食材:
牡蠣(亜鉛の王様!)
牛赤身肉
ナッツ類(アーモンド・カシューナッツ)
・タウリン
役割: 肝機能のサポート/疲労回復
タウリンは肝臓の働きをサポートし、アルコールによる負担をやわらげてくれる成分として有名です。「栄養ドリンクに入っているもの」としてご存じの方も多いのではないでしょうか。
おすすめ食材:
イカ・タコ・ホタテ
サザエ・しじみ などの魚介類
・水、電解質(ナトリウム・カリウムなど)
役割: 脱水の防止/筋肉の収縮サポート
お酒には利尿作用があり、筋肉に必要な水分やミネラルが失われやすくなります。トレーニング後で汗をかいている状態では、特に注意が必要です。
おすすめ飲料:
経口補水液やスポーツドリンク(糖分控えめなもの)
昆布だしの味噌汁(塩分とミネラルが補給できる)
シークワーサー水(ビタミンとクエン酸も取れておすすめ)
・ワンポイント:飲酒前の「リカバリー食」はこれ!
飲む前に何か食べるときは、以下のような組み合わせがおすすめです。
例:
ゆで卵+玄米おにぎり+ブロッコリーサラダ
豚しゃぶ+味噌汁+キウイフルーツ
冷ややっこ+納豆+トマト+焼き海苔
胃腸の負担を抑えつつ、アルコールの分解や筋肉回復に必要な栄養が摂れます。
お酒を悪者にしない、でも備えて飲む
アルコールには筋肉にとってのリスクもありますが、完全に避けなければならないものではありません。
大切なのは、
・お酒の「影響を知ること」
・「栄養」や「回復」でカバーする意識を持つこと
・そして「継続できる範囲」で工夫すること
筋トレと飲酒、どちらもあなたのライフスタイルの一部。両立させるために、栄養の知識を少しだけ取り入れて、体に優しい飲み方を実践していきましょう!
5.お酒とうまく付き合うための工夫あれこれ
ここまでで筋トレとお酒の関係性、そして筋肉を落とさずに飲酒と両立させるコツをお伝えしてきました。ただそれでも「頭では分かってるけどやっぱりお酒がやめられない…」という方もいらっしゃるかと思います。
ここでは、もう少し踏み込んで「習慣としてお酒とうまく付き合うためのヒント」を紹介します。
〇ケース別!よくある“飲みシーン”での工夫
・【仕事終わりの一杯】が習慣になっている場合
仕事終わりのビール、最高ですよね。でも、その「1杯」を毎日続けていると、少しずつ体にダメージがたまってしまいます。
そんな方におすすめなのは、「飲まない日」を決めること。
たとえば、「月・水・金はノンアルの日」など、自分でルールを作るとコントロールしやすくなります。最近では、ビール風味の炭酸水やアルコール0.00%の商品も増えているので、代替品を取り入れてみるのもおすすめです。
・【飲み会や外食】が多い場合
外での飲み会は断りづらいもの。でもすべての飲み会で全力飲酒をしていると、やはり筋トレの成果は出にくくなります。
そこで提案したいのが、「飲む量の見える化」。
最初の1杯はビールにしても、その後は焼酎やハイボール(糖質が少ない)へ切り替える
1時間に1杯までと決める
飲む前にプロテインやゆで卵などの軽食を摂っておく
こうした小さな意識だけでも、筋肉へのダメージを減らせます。
〇習慣化のコツは「目的」を明確にすること
「お酒を減らしたいけど、つい飲んでしまう…」という場合、なぜ減らしたいのかを改めて考えてみましょう。
・体を引き締めたい
・疲れにくい体になりたい
・健康診断の数値を良くしたい
・かっこいい体で夏を迎えたい
理由は人それぞれですが、自分の目的がはっきりすると、自然と行動が変わりやすくなります。
実際、お客様でも、「次の健康診断までに中性脂肪を下げたいから、お酒は週2までにする!」という目標を立てたことで、3か月で見違えるほど体型が変化した方もいます。
目先のお酒の誘惑よりも、「なりたい自分」を優先する意識が、結果的に習慣を変える第一歩になります。
〇アルコールが与える「見えにくいダメージ」にも注意
お酒の怖いところは、飲んだ翌日に直接不調が出るとは限らないという点です。飲み過ぎた翌日も、何となく元気に見えてしまうことが多く、「まあ大丈夫かな」と繰り返してしまいがちです。
でも実際には、
・回復に必要な睡眠が浅くなる
・内臓が休まらない
・疲れが抜けず、筋肉痛が長引く
といった「小さな不調の積み重ね」が起きています。これが、2~3か月単位で見ると「筋肉が思ったようにつかない」「体脂肪が落ちない」といった結果に繋がっていくのです。
「最近、トレーニングの成果がイマイチ…」と感じている方は、一度、飲酒習慣を見直してみるのも一つの手です。
6.「継続」がいちばんのトレーニング効果
どんなに正しい知識を持っていても、トレーニングが続かなければ意味がありません。お酒の誘惑に負けることがあっても自己嫌悪になる必要はありません。
大事なのは「自分にとって現実的なラインを見つけて、無理なく続ける」こと。
たとえば、
・1週間に2日は完全に休肝日をつくる
・トレーニング日は飲まない
・飲みたい日は軽めの自宅トレをする
など、ルールはゆるくてもいいから、続けられることが最優先です。
筋肉は一夜にしてつくられるものではありません。そして飲酒の影響もまた、1回でどうこうなるものではありません。だからこそ少しずつの積み重ねが大きな成果に繋がっていきます。
7.まとめ「飲まない」ではなく「うまく付き合う」がポイント!
お酒を全く飲まないに越したことはありませんが、ストレスや人間関係、楽しみの一つとして完全にやめるのは現実的じゃない方も多いはずです。
だからこそ、筋トレとお酒を両立させたい人は
・飲む量とタイミングを意識して
・食事・水分・睡眠の質を整える
これらを守ることで、筋肉も健康も手に入れることができます。
お酒も筋トレも、人生を豊かにするツール
筋トレもお酒も、それぞれの楽しさがあります。
大事なのは、「どちらかを完全に捨てる」のではなく、「どちらもうまく取り入れる工夫をすること」。そうすることでトレーニングも人生も、より前向きに楽しめるようになります。
Reviveでは、運動だけでなく日常生活や食事、飲酒習慣なども含めたトータルサポートを行っています。「自分なりのベストなペースを見つけたい」「お酒とうまく付き合いながら筋肉をつけたい」という方は、いつでもお気軽にご相談ください!