お酒(アルコール)が筋トレに与えるデメリットと対策法

皆さん、こんにちは!トレーナーのYUKIです!
今回は、お酒(アルコール)が筋トレに対して起こりうるデメリットと対策法についてお話ししていこうと思います。
はじめに
筋トレの成果を最大化するには、トレーニングだけでなく栄養、休息、ホルモンバランスなどの要素も重要です。近年、アルコール摂取が筋肉の成長や回復に与える悪影響が、多くの研究によって明らかになってきました。本稿では科学的知見に基づき、アルコールによる影響と対策を体系的にまとめます。
アルコールの筋トレにおけるデメリット
筋タンパク質合成(MPS)の抑制
• アルコール摂取は、i mTOR経路の活性を低下させ、筋タンパク質合成を抑制します。これにより、トレーニング後の筋肉成長が阻害されるとされています。
• たとえプロテインと一緒に摂取しても、筋タンパク質合成は23–37%程度低下するとの報告があります。
• システマティックレビューでも、回復期における筋タンパク質合成の低下やアナボリックマーカーの減少が認められています。
ホルモンバランスの乱れ
• アルコールはテストステロン低下やコルチゾール上昇をもたらし、筋肉合成と回復に悪影響を与えます。
筋疲労の増加・筋力低下
• アルコールはカルシウムチャネルを阻害し筋収縮機構を乱すことがあります(in vitroでの報告)
• 実臨床では、筋損傷後のパフォーマンス回復が遅延する傾向があります。
• 人間の回復力(筋力、持久力、疲労感など)は多くの研究で変化なしとされる一方、ホルモンやアナボリズム指標に悪影響あり。
睡眠の質低下と回復妨害
• アルコールの摂取は睡眠の質を低下させ、回復効率が悪くなります。
水分・代謝経路への悪影響
• アルコールは利尿作用が強く、脱水を招きます。しかも肝臓での分解にエネルギーが使われ、炭水化物や脂質代謝が阻害されます。
長期的な筋機能への影響
• 過度の飲酒は筋萎縮を招き、筋力や身体機能全般の低下につながります。
• また、身体機能指数(握力、バランス力など)は有害な飲酒習慣で低下する傾向が報告されています。
考えられるメカニズム
デメリット 主なメカニズム
・タンパク質合成抑制 mTOR経路の阻害、S6K1など翻訳制御因子の不活性化
・ホルモン変動 テストステロン低下、コルチゾール上昇
・回復遅延 筋損傷機構の悪化、興奮収縮結合障害
・睡眠障害 深部睡眠への障害による回復阻害
・代謝干渉・脱水 肝臓への負荷増加、水分代謝阻害
・長期筋機能低下 筋萎縮、運動機能低下

対策法
飲酒タイミングの工夫
• トレーニング直後(特に1–2時間以内)はMPSがピーク。ここでの飲酒は避けること。
• 飲む場合はトレーニングを行わない「休養日」に限定するほうが良いです!!
飲酒量の制限
• 適度な飲酒(男性2杯/日、女性1杯/日)が望ましく、過剰な飲酒は避けるべきです。
• 特にトレーニング前後、夜間の習慣的な過度摂取は筋トレ効果を削ぐリスクがあります。
水分補給と栄養バランス
• 飲酒時はアルコールと同量の水を飲む、運動後は質の高いタンパク質・炭水化物摂取を忘れずに。
睡眠を確保する
• アルコールによる睡眠障害を緩和する工夫(例えば寝る2時間前には飲まない、静穏な環境作りなど)が有効。
飲酒記録をつける
• トレーニング記録や体調、回復指標を記すことで、アルコールの影響を定量的に評価可能。
筋トレ頻度・強度の調整
• 飲酒翌日の高強度トレーニングは避け、軽めの回復メニューに切り替える。
実践提案:具体的行動ステップ
・トレーニング後1–2時間は飲酒禁止。タンパク質・炭水化物を優先。
・飲酒日は、翌日を休養日に設定しリカバリーに専念。
・飲酒は週2~3日以内、1日あたり男性2杯・女性1杯を目安に。
・飲む際は水を合わせて飲み、脱水に注意。
・睡眠環境の改善(規則正しい就寝、照明の調整など)を図り、回復力を高める。
・トレーニングと飲酒の関係を記録し、パフォーマンスをモニタリング。
まとめ
総じて、アルコールは筋タンパク質合成やホルモンバランス、回復効率、代謝など多方面で筋トレ効果を阻害する可能性があります。特にトレーニング直後の飲酒や過度な量の習慣化は注意が必要です。一方で、工夫次第でその影響を最小化することは可能です。
トレーニング計画に飲酒習慣を組み込む際は、タイミング・量・回復とのバランスを考慮し、筋トレの成果に与える影響を最小限に留めましょう。